なんと
日本工業規格(JIS規格)があるんですねぇ~
JIS S 2048 : 携帯用クーラーボックス
2006年に内容の一部が見直されています
で
規格はありますが、これを守らなければいけない という規則は無いので
結局のところ、保冷力の表示は メーカ任せ (;¬_¬)
JIS規格を、まんま掲載したいところですが、禁止されていますので必要なところを抜粋して
この規格の適用範囲は
『この規格は、保冷を目的として断熱機能をもつ、魚釣りなどレジャー用及び冷蔵品などの運搬用として使用する容量35L以下のプラスチック製携帯用クーラーボックス(以下、クーラーボックスという。)について規定する。』
つまり、35L以下のプラスチック製 のクーラーボックスにしか適用されないということです
(大型のクーラーは適用除外)
そして、クーラーボックスは『冷蔵品などの運搬用』として使用されることが前提で
冷えたものを、出来るだけ冷えたままで・・・
ということ
常温の物を、冷やすためのものでは無いということです
よく
「このクーラーは冷えない」とか、耳にしますが 元々そういう趣旨では製造されていないということです。
では
この規格で規定されている、クーラーボックスの品質ですが
先ず第一に
・衛生性
クーラーボックスが食品及び飲料水と接触する部分は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づく食品、添加物などの基準に適合しなければならない。
衛生が第一です
次に
・外観
クーラーボックスの外観は、次の項目に適合しなければならない。
a) 欠け、ひび、き裂などがあってはならない。
b) 異物、泡、型きず及びその他の欠陥が目立ってはならない。
c) 汚れ、変形などが目立ってはならない。
d) 変色、退色及び色むらが目立ってはならない。
e) 耐食性材料以外の金属は、さび止め処理が良好で、さびがあってはならない。
続いて
・構造
クーラーボックスの構造は、該当するものにあっては、次の各項目に適合しなければならない。
a) ハンドル又は取っ手(以下、ハンドルという。)は、使用上支障がない強度をもつもので、容易に本体から外れない構造でなければならない。
b) 開閉部の固定具及びパッキンは、堅ろうに取り付けられ、繰返し使用に耐えるものでなければならない。
c) 水抜き栓は、容易に脱落しない構造でなければならない。
d) ベルトは、適切な強度をもち、耐久性のある材料で、本体に堅ろうに取り付けなければならない。
えーと
保冷力ついて、一向に触れられませんが ι(´Д`υ)
衛生的で、安全に使用できるのが大前提
んで、やっと出てきます 保冷性 ですが
測定方法の記載はありますが、性能基準がありません。
つまり、保冷性が高かろうが低かろうが、断熱機能が少しでもあればクーラーボックスとして成り立つわけです。
このあたりは、メーカの良心に期待する他ないかと・・・・
その、保冷性の測定方法ですが
抜粋しますと
・クーラーボックスの内部のほぼ中心に、温度計の感熱部が位置するように固定し、あらかじめ氷を砕いて投入してある水を氷とともにクーラーボックスに、その容量の80%以上注入する。15分間以上経過後、氷を取り除き、1-4℃の水が容量の80%になるように調整する。ふたを固定具で締め、温度(
T1)を測定後。直ちに、あらかじめ40±2℃に調整された恒温槽の中に入れて8時間後の温度(
T2)を測定し、
T1と
T2との差を求める。この操作を2回繰り返して、その平均を求める。
測定方法は記載されていますが、その測定結果を表示する義務はありません。
この方法でいきますと
8時間後、クーラーボックス内の水温が変わらない
一番性能が良い
T1(1℃)-
T2(1℃)= 0
から
水温が恒温槽と同じ40℃になった
T1(1℃)-
T2(40℃)= -39
まで
一番性能の低い -39 は
1時間で 40℃になっても、8時間で40℃になっても -39 です
しかも
クーラーボックスの中は、空気よりも温度変化の少ない 水 で満たします
容量の80%の水って・・・
これって、実際の使用方法に合った測定法??
このJIS規格には、規格の一部では無いですが附属書があり
簡便法による保冷試験方法 が記載されています。
・試験に用いる氷は、クーラーボックスに投入するのに適切な大きさの角氷とする。
・本体容量の約25%に相当する氷の質量(
M1)を測定し、クーラーボックスに入れてふたをする。
なお、氷の質量測定は、温度23±5℃の室内で行う。
・あらかじめ40±2℃に調整された恒温槽の中にクーラーボックスを入れる。
・8時間後にクーラーボックスを取り出して、氷の質量(
M2)を測定し、氷の残存率を求める。
氷の残存率(R)は、次の式を用いて算出する。
R =
M2/
M1 × 100 (%)
・操作は、2回繰り返して、その平均を求める。
簡便法の方が実情に即した、試験方法だったりして f(´-`;)
とまぁ。こんな感じで
結局表示義務もないので、保冷性能ってのは買う前に比較ってのができないのが現状です
あと
よく誤解されているのが、クーラーボックスに小さい保冷剤を1個入れて
「すぐ溶ける」とか 言われる方がいますが
あたりまえです
クーラーボックスは、冷蔵庫ぢゃないんだから、冷却源が必要な訳で
それが、氷だったり、保冷剤だったりします。
そして、クーラーボックスの性能比較を ご自分でなさってる方もいらっしゃるようですが
試験方法を間違っている方が、大多数です。
よく見受けられるのが、容量の異なるクーラーボックスに、同じ質量の氷を入れて氷の残存量を比較したもの。
一見、公平な比較試験のように思えますが、氷の量はクーラーボックスの容量に比例して入れなければ性能比較になりません。
例えば(間違った例)
51Lのクーラーボックスに2kgの氷
28Lのクーラーボックスにも2kgの氷
これを、炎天下で同じ時間放置して、氷の残存量を比較
これだと、氷1kgを1Lとした場合、
51Lのクーラーには 2 / 51 = 3.9% の氷
28Lのクーラーには 2 / 28 = 7.1% の氷
となり、28Lの方が有利になります
同一条件とするなら(正しい例)
51Lのクーラーボックスに3.6kgの氷 (3.6 / 51 = 7.1%)
28Lのクーラーボックスに2.0kgの氷 (2.0 / 28 = 7.1%)
で比較して、氷の残存率を算出する必要があります。
クーラーボックスを使用する上で
氷はクーラーの容量の25%を目安に入れましょう。
ロゴスの氷点下パック等を併用すれば、氷の量を減らすことができますね。
25%の氷って・・・ 多いよねぇ
その分、食材や飲料が入れられなくなりますが、食中毒をおこしてからでは遅いですから。
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